❄️CORONA ラフノート:氷点下アドベンチャー

❄️CORONA ラフノート:氷点下アドベンチャー

氷点下の世界へ。すべての人に向いているわけじゃない。

氷点下の環境で、見知らぬ場所までトレッキングしてテントを張る――
そんな旅は、誰にでも向いているとは限りません。

でも、自然の厳しさに立ち向かう覚悟がある人なら、
その先にはきっと、一生モノの体験が待っています。

エベレストに登ったことがなくてもわかるはずです。
標高が高く、雪が多い場所では、まったく別次元のリスクが生まれることを。

だからこそ、しっかり備えるために、
今回わたしたちは**「氷点下アドベンチャーのためのラフノート(準備メモ)」**を用意しました。


まずは、凍えないための基本からおさえておきましょう。

 1. 暖かく装備しよう

ある賢者が、「サー・エドモンド・ヒラリーはウールでエベレストに登った」と言ったらしい。
だったら、あなたもヒラリーにならって、コットンの靴下は家に置いていこう。

寒さに本気で備えなきゃいけない場面は、いつか必ずやってくる。
だからこそ、前もって考えて、「本当に寒いときにちゃんと役に立つ服」を選んでおこう。


ベースレイヤー(肌に一番近い層)

汗を素早く吸い取り、すぐに乾くのが大事。濡れたまま過ごす時間は、できるだけ短くしたい。
おすすめはメリノウールやポッサムウールなどのウール素材。コットンは絶対に避けること。


インサレーションレイヤー(中間層)

ここは、体の熱をしっかりキープするための層。
フリースのパンツとトップス、グースダウンのジャケットを検討してみてほしい。


アウターレイヤー(外側のシェル)

ここは、風や雪から身体を守る最終防壁。
ジャケットもパンツもグローブも、「防水・防風・透湿性」をすべて備えていることが理想。
GORE-TEXのような高機能素材を使えば、いざというときの頼りになる。
とにかく、防水性は絶対必要──雪って、けっこう濡れるからね。


あとは、断熱性と防水性のある登山靴をひと組、
そしてウールの靴下やスカーフといった小物をしっかり揃えれば、
本気の寒さにもちゃんと立ち向かえるはずだ。

2. 天気を確認しよう。しかも、こまめに。

旅の途中で天気をなんとなくチェックすることに慣れているかもしれない。
でも、冬の雪景色の中に足を踏み入れるときは、天気図をしっかり読み込むことが、これまで以上に重要になる。

高地では、天候の変化はとても速くて、あっという間に危険な状況になることもある。
だから、天気に目を光らせておく理由が2つある。

まず、雪景色を狙っているなら、地元の人に話を聞いたり、近くのショップに電話して、
理想の天気になるために必要な“条件”を読み解こう。

  • どのくらいの標高で雪になる気温を想定している?

  • 嵐の終わりにタイミングを合わせて白い地表を狙いたい?

  • 風の強さや向きは、どんな状態が理想?

すべての要素が揃って出発したら、天気の変化にはずっと目を光らせておくべきだ。
今向かっている場所のコンディションが、キャンプにとって良好であるかを必ず確認すること。

気温が低く、雪が軽く、風も穏やか──理想的だ。
でも、悪化しそうな予報が出ていたら、無理して突っ込むより、次のチャンスを待った方がずっといい。

それから、冷え込んでくると道路が封鎖されることもよくある。
だから、あらかじめ別ルートも用意しておくことが大事だ。

3. 車の準備は万全にしておこう

基本的なロードトリップの準備はもちろん必要だけど、
今回の旅では、もっとラフでタフな地形に挑むことも想定しておくべきだ。

まずは「Guide To Rugged Adventure(荒野の旅ガイド)」に載っている車両準備チェックリストをざっと確認してみよう。
それを踏まえて、自分のクルマが雪山に挑む準備が整っていそうなら、あとは寒さ対策の最終チェックだ。


冷却水(アンチフリーズ)

雪の中に入る前に、ラジエーターにちゃんと緑のヤツ(冷却液)が入っているかを確認しておこう。
もし普段から「とりあえず水を足しておくか」くらいの感覚で補充しているなら、濃度バランスが崩れていて凍結温度に耐えられない可能性がある。

不安があるなら、ラジエーターを一度フラッシュ(洗浄)して、新しいクーラントと水を入れ直すのが確実だ。


タイヤ&スペアタイヤ

滑りやすい場所では、タイヤが命綱。
とくにスペアも含めて、しっかり溝がある状態かどうかを事前に確認しておこう。

もし「オールテレーンタイヤ+深めのトレッド」じゃないなら、チェーンを持っていくのがおすすめ
雪をかき分けて、下にある路面にしっかり食いついてくれる。

トーロープリカバリートラックも、念のため積んでおくと安心だ。


バッテリー(最高の状態に)

冬の気温は、バッテリーにとってかなり過酷
とくに山に向かう場合は、ふだん問題なく動く車でも、冷え込みで一発アウトになることがある。

出発前はもちろん、途中でもバッテリーの状態をチェックしておこう。

端子が汚れていたら、歯ブラシと重曹+水でサッと掃除してあげればOK。
ピカピカにしておけば、電流の流れも安定する。

あと、ジャンパーパックやブースターケーブルは必ず積んでおくこと。
雪に埋もれてから「誰かに助けてもらおう」と思っても、そう簡単にはいかないから。

4. 仲間を連れて行こう。できれば、3人くらい。

仲間がいれば旅はもっと楽しくなるし、こういう旅ではお互いを支え合える人がいることが本当に頼りになる

安全面から考えても、「人数の多さ」はそのまま強みになる。
だから、最低でも2台以上の車で出発することをおすすめしたい。どちらも、この旅に耐えうる装備が必要だ。

一緒に行く仲間には、冬山で役立つスキルをそれぞれ持っていると、なお良い
たとえば、オフロード走行、冬のキャンプ術、気象の知識など――誰かがカバーできると安心感が違う。

それから、これは言うまでもないことだけど、出発前には必ず「どこへ行くのか」を誰かに伝えておくこと。
もし予定が変わったら、その都度メッセージを送って知らせておこう。

山奥に入ると、電波がまったく届かなくなる場所も多い。
だからこそ、出る前のひとこと連絡が命綱になることもある。

5. ベストな場所をしっかり選ぼう

目的地には、できるだけ明るいうちに到着するようにしよう。
暗くなってからの設営ほど、しんどいことはない。

まずは落ち着いて、ひと息つこう。軽く食べて、体を温めて、必要ならレイヤーを1枚追加。
準備が整ったら、いよいよ今夜のテント設営場所を探しに行こう。

……その前に!
もし焚き火が許可されていて、ちょうどいい場所があるなら、先に火を起こしておくのがおすすめ。
準備の途中で火があると、明るさも暖かさも全然違う。
着火剤やマッチ、その他の道具は、事前にしっかり用意しておくこと。


夏場なら、日差しを避けて木陰に張るとか、
あえて快適さを犠牲にしてでも、最高の朝焼けが見られる場所を選んだりもするだろう。

でも、氷点下の環境では、「朝の日差し」が何よりの味方になる。

日の出の方角と、太陽が最初に差し込む場所を確認しておいて、
テントや車は朝日をしっかり受けられる向きに配置しよう。
スマホで太陽の動きをチェックできる便利なアプリもいくつかある。


他にも、いくつかチェックしておきたいポイントがある:

  • 風を避けられる、自然の防風地形があるか?

  • 倒木や落枝、雪崩のリスクが少ない場所か?

  • 吹雪や夜間でも、自分のキャンプ地点を見つけられるような目印はあるか?

6. 日が落ちたら、一気に冷える。だから、早めにあたたまっておこう。

面倒くさがりでいいから、寝る前から一番あったかい装備を着ておこう。
そう、マフラーもビーニーも、氷点下になるような夜には意外と必要になる。

そしてこれは鉄則だけど、寒さに対応できるちゃんとした寝袋がないなら、この旅には出ないほうがいい。

加えて、スリーピングバッグの中に入れるライナーや、ウールの毛布を何枚か持っておくとかなり心強い。
「持ってきてよかった」と、きっと思うはずだ。

7. 何でも凍る

本当に何でも、だ。
水のボトル、テントのジッパー、車のドアのロック。
ぜんぶ、凍る。

でも大丈夫、それも含めて冬キャンプの“お約束”。
ちゃんと対策しておけば、翌朝に凍りついて身動きが取れないなんてことは避けられる。

以下は、そのための基本的なコツ。


1. 水は逆さにして保温する

体と同じように、ギアにも“防寒”が必要。
大きめのウォータータンクを使っているなら、寝る前に上下をひっくり返しておこう。
氷は上から順にできていくから、逆さにすれば飲める部分が凍りにくくなる。


2. ドアのロックとゴムパッキンに潤滑剤を

朝になって日が差すまで、ドアが開かない──なんて状況、けっこう面倒くさい。
出発前に、ドアのゴム部分にシリコンスプレーを軽く塗っておくと、凍りつきを防げる。
鍵穴にもグリスを入れておくと、なお安心。


3. 濡れたギアは外に出しっぱなしにしない

靴ひもがカチカチの石みたいになったり、服が“ダンボール状態”になるのは、たいていこのパターン。
濡れたものはできるだけ中に入れて、凍らせないようにすること。

🔚 最後に──「ちょっと大変そう…」そう感じたとしても

「なんか、準備が多すぎない?」──そう思ったかもしれません。
でも、落ち込まなくて大丈夫。

出発前に時間をかけてしっかり計画し、備えておくことは、
実際にフィールドに出てからの楽しさを何倍にもしてくれます。

それに、天気の回復を待っているあいだは、たっぷり時間があるんですから。


次に冬の天気が荒れていて、まわりの人が「早く夏になれ」って室内にこもっていたら、
あなたはクルマに荷物を積んで、外に出てみてください。

自然の中に飛び込んでみれば、そこにはとんでもない冒険が待っている
そしてその体験は、きっとずっと、一生の記憶として残るはずです。

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